いいかげん日記

思いついたことをただひたすら書き殴るいいかげんな日記です。

本の林: 「ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへー15歳から始める生き残るための社会学ー」響堂雪乃

本の林:はじめに - いいかげん日記

 

 【連想する本】

なし

 

本の林で初めて本編をほとんど読まずに記事を書きます。

これは15歳に読んでもらいたくない本です。

 

フォーマットなのか文体なのかはっきりしないのですが、読者を自分の考えに引き込む力がかなり強力に作用する「ヤバい」感じがします。

 

参考文献と本文の関係性を明示する「引用」の技法を使っておらず、自分の主張がどのような文献に基づいているか、または、どの点で違いがあるのかを明確にしていないため、序文に「学術的」「専門用語」などとそれらしい単語を並べている割に自分の主張と他人の見解が渾然一体となってしまう非学術的な本の作りとなっているようです。

 

この時点で、この書き物がどんなに正しいことを主張していようが、オカルトと区別がつかなくなるため信頼に値しないのですが、それに輪をかけてかなり刺激の強い言葉を意図的に使って読者の感情を揺さぶろうと試みた跡が見受けられるため、更にオカルト感が漂っています。

 

主張の方向性としては私と意見が合いそうで、Amazonのレビューの分布もかなり良かったので期待したのですが、この本は今まで買った本の中で一番のハズレ本でした。

 

この本は中古本として流通させることすら憚られるのですぐに古紙回収に出されるかと思います。

 

唯一の学びとしては、「Amazonのレビュー数がそれなりにあって、評価の分布が5に極端に振れている場合であっても、必ずしも良作であるとは限らない」ということでしょうか。

 

たしかに、あまり本を読まない人が無防備な状態でこの本に接したら取り込まれてしまうかもしれませんね。。

 

 

この記事をもし15歳の方が読んでくださっているなら、「この本を読む前に読むべき本は沢山ある」と伝えておきます。

 

なにを読めばいいかわからないなら、小熊英二氏の「日本社会のしくみ」を読んでください。

本から学ぶ、目から鱗が落ちるような読書体験はぜひこのような本で積んでもらいたい。