読み終わったので書いてみた
更新です。
タクシーの運転手とチップのところを引かせていただくと、「まず小遣いはいくらか?」という話から入る。
今回の話題はこれ↓
「男の作法」
はい。
これ、池波正太郎のエッセイなのですが、シブい。
シブくて憧れてしまいます。
こういう男になりたいです。
平成の世に一応は「若者」として生きてはおりますが、多分、私は昭和に生きていた方が輝いた気がする。
いや、わからんけどさ。
でも、こんなに恰好良いオヤジが周りにいたらきっともっと違う生き方してますよ。
奥さんだって精一杯、余計に出しているに違いないんだが、もらっている身になってみれば、それは余裕をもって使えないわけですよ、いまの世の中は。
だけど、どうしても無理して使わなきゃいけないんだよ。
(中略)
タクシーに乗って、メーターが五百円だったら六百円やる。
「どうもご苦労さん。これは結構です・・・」
と、百円チップをやることによって、やったほうも気分がいいし、もらったほうも気分がいいんだよ。
(中略)
そうすれば、その人がその日一日、ある程度気持ちよく運転出来るんだよ。
(中略)
みんながこういうふうにして行けばだね、一人がたとえ百円であっても、世の中にもたらすものは積みかさなって大変なものになるわけだよ。
「使わなきゃいけないんだよ」を受けて続くのがタクシーの運転手へのチップですよ。
こんなのって、この本を読む前には想像できませんでした。
どれだけ荒んでるんですか!
私の心は!
自分がどれだけちっちゃい人間なのか、見せつけられた気分です。
そういえば、小津安二郎の映画を見た時も衝撃的でした。
団地住まいの人同士で「ちょっと人参貸してくれない?」みたいな、何でもない(であろう)やりとりをするシーンを観て、泣きそうになりましたもん。
いいなぁ、って。
だから、これからはタクシーに乗ったらチップを渡したいと思います。
まずはそこから、やってみたいと思う。