憧れながら書いてみた
更新です。
今回の話題はこれ↓
「『普通にしていても良いことがある』っていう世の中が良いよね」
はい。
今回も、前回の記事に引き続き池波正太郎の「男の作法」から一つ。
テレビ点けても新聞開いても「お先真っ暗」ってニュースしか入ってこない今日この頃です。
はっきりとした目標もないし、漫然と過ごして今に至る感のある私ですが、「男の作法」を読んで、ようやく目標にしたい、尊敬できる人を見つけた気がしました。
たとえ時代錯誤であろうと、これから少しずつこの人が語って残してくれた所作と心意気をまねていきたいと思っています。
それだけ、私には恰好良くて、気持ちの良い、粋な大人の生き方だと思うのです。
ものまねの第一弾は、「チップ」です。
これは以前にも書きましたが、チップをやるそのココロがとても粋なのです。
ここで、この一節をご紹介
ここだけの話だけど、きみたちの小遣い、月にいくら?
(中略)
奥さんだって精一杯、余計に出しているに違いないんだが、もらっている身になってみれば、それは余裕をもって使えないわけですよ、いまの世の中は。
だけど、どうしても無理しても使わなきゃいけないんだよ。自動車のチップのことを話したでしょう、前にも。タクシーに乗って、メーターが五百円だったら六百円やる。
「どうもご苦労さん。これは結構です・・・・・・」
と、百円チップをやることによって、やったほうも気分がいいし、もらったほうも気分がいいんだよ。
もらったほうは、自分はわりに親切でもないんだけど、とにかくこの程度の運転をしていれば、お客さんが百円余計にくれるんだなとわかるわけでしょう。
これは、もう、大変なことなんだよ。
恰好良くないですか!何が恰好良いかって、こういうカネを、「もらったほうは、自分はわりに親切でもないんだけど、とにかくこの程度の運転をしていれば、お客さんが百円余計にくれるんだなとわか」ってもらうことに使うカネを、自分の懐事情に余裕がなくとも「どうしても無理しても使わなきゃいけないんだよ。」って言っているところ。
こんな粋な大人を、私は間近で見たことがありませんでした。
私の両親だって、親戚だって、恩師だって、上司だって、誰一人やっているところを見たことがない。
私は他のどんなことよりも、こういうことを直接教えて欲しかった。
「世の中、捨てたもんじゃないぞ」って、その行動で示して欲しかった。
運転手に渡すこの余分な百円が「無駄遣い」になるならば、私には有意義なカネの使い方など一生理解できないと思う。
それほどまでに、大切な百円の使い途だと思うのです。
今度、タクシーに乗ったときにだね、やってごらんなさい。運転手が、お客さんが百円くれたとなれば、たとえ百円でもうれしくなって、
「どうも済みません、ありがとうございます・・・・・・」
と、こう言いますよ。
はい、貴方の言うとおりでした。
そうすれば、その人がその日一日、ある程度気持ちよく運転出来るんだよ。それで、おおげさかも知れないけど、交通事故防止にもなるんだよ。少なくとも、次に乗るお客のためになっているわけだ。みんながこういうふうにして行けばだね、一人がたとえ百円であっても、世の中にもたらすものは積みかさなって大変なものになるわけだよ。どんどん循環して広がって行くんだからね。
私も、その循環に貢献できているでしょうか。
これを書いているいま、私のスマホに
少年ジャンプ編集部、「女子トイレマーク」マンガを掲載中止に 「セクハラ」の批判相次ぐ
というテロップのニュースが入った。
それでも、私は貴方を信じます。