まぁ、実は連投なのですが、先ほどの記事は引っ込めました。
そんなつもりはないのですが、どうも友人の陰口を書いてしまったような、後味の悪さを感じてしまったので。苦笑
さて、お茶を濁すための話題はこれ↓
「最近思い出した本」
はい。
最近読んだ本ではなくて、思い出した本。
ジョン・ロックの「知性の正しい導き方」
何かについて真剣に考えを巡らせるとき、何がその妨げになるのか、その障害どのような形で現れるのかを真正面から考えて後世に伝えようとした偉人の思考の残滓です。
それと同時に、偉人たちもこういう凡庸な悩みを持っていて、偉業を成し遂げる際にはそれらに苦しめられたことを窺わせる、とても人間味のある本だと私は思います。
何がを成そうとするとき、一番の敵は自分であって、どうやって自分を意図した方向に導くかは多くの人が共有する問題であるように思うのです。
フリーランスというのか、あらゆる面で自己管理が必要な職業が増えている現代では特に。
目標が高ければ高いほど、自分自身の心身をコントロールすることが重要になるのですが、それがとても難しい。
目標に向かって進もうとすると、すぐに自分の体と心が邪魔しにかかる。
眠たくなってみたり、他のことが気になり出してみたり、腹をへらしてみたりと、とにかくありとあらゆる手を使って妨害してくる。
だから、それをひとつひとつ取り除いて、一時的に問題がなくなるほんの一瞬を、可能な限りひと続きの時間になるようにつなぎ合わせて目標に向かわないといけない。
難儀な話です。
そんな困難の中でも、知的な面でのお話に焦点を絞って書かれた本です。
私は、こういうことを大真面目に考えている人がいて、今でもその残滓に触れられるということは、ありがたいなと思うのです。
ただ、この本のタイトルは変えたほうがいいのでは?と思うのです。
原題はOf the Conduct of the Understandingとのことですし、本の内容的にも、おそらくロックは「正しい」という言葉を敢えて使わなかったんだと思います。(確かに本文に多々出てきますが、どういう単語に対して「正しい」という訳語を当てたのか気になります)
「正しい」は普遍的な言葉ではない。
正しさなんて時代や立場が変われば簡単に変わってしまう属性であって、そんな言葉をタイトルに据えるのはそれこそ「思い上がり」や「予断」の体現だと思うのです。
多分、この言葉がタイトルに入ってることでこの本は損してるんじゃないかなぁ。