更新します。
しばらく間を空けてしまいました。
今日はマジメに研究界隈の話でもしましょうか。
何度も書いていることですが、私は某大学院の院生をやっております。
同じ研究室で学部時代からやってきたので、もう数年が経ちますね。
入りたての時は先生からの指示に従って黙々と作業を進めるだけでしたが、最近では、ほぼ自分の力だけでぼちぼち研究を進めようとしております。
そうするとですね、たちまち研究が進まなくなるんですよねぇ。
自分で考えるようになってようやくわかったのは、研究は技術的な問題に取り組む以前に研究の方向性を決めなきゃいけなくて、そしてそれがとても難しいということ。
「研究成果を出せって言うけど、何が成果になるの?」とか、「目標は決まったけど、どんな結果を出せば研究が完結する (論文になる) の?」とか。
これを間違えるとえらい目に遭います。
成果だと思って出した結果が成果になっていないとか、目標が高すぎて残された時間では終わらないとか。
私、お恥ずかしながら、小さなところではこの手の間違えを何度もやっています。
まぁ、研究成果は問題の設定次第なところもあるので (つまり、問題設定を後から考えるってこと) 、何とも言えませんが。
あと、最近はあまりやらなくなりましたけど、目標を特に決めずに「何か面白い結果出ないかなー」とか思って実験なり何なりをとりあえずやるっていうやつ。
まぁ、狙いがないとほとんど時間と資源のムダなんですよね (しみじみ) 。
自分にとって目新しい現象を扱うときは本当に注意が必要です。
その現象に神秘の力みたいなものを期待して何でもかんでもそれで制御できてしまう錯覚に陥ってしまいがちなので (苦笑) 。
あ、まだある。
数値解析とかやると、キーボード叩けば何かしらの結果が出てくるのでついついムダな計算をしがちなんですよね。
研究やった気になって実はゴミデータを大量生産しているだけってやつ。
もう、自分で研究しようとすると至る所に落とし穴があって、全部にはまってたら時間がいくらあっても足りない。
どんな仕事も同じかもしれませんが、研究に関しては「研究が大好きでセンスのある人」か「研究が嫌いだけどやらざるをえない人」が成果を出しやすいとつくづく思います。
前者は知的好奇心を原動力にガツガツ研究を進めて、そして進む方向が毎回正しいパターン。
後者は研究する時間をなるべく短くするために、最小労力・最短距離を見極めて進むパターン。
そして、最悪なのは単なる「努力したがり」な人。
これは、傍目から見てると、目も当てられない凄惨な光景だと想像します。
「研究はつらいけど、自分が成長するためには努力しなきゃ」って人は本当に生きていけない。
「若い頃の苦労は買ってでもしろ」とか言いますけど、「努力すること」に精を出すとロクなことにはなりません。
努力は方向を間違えると時間と労力をムダ使いするだけなのに、それに気付かずにムダな努力を続けてしまう恐れが大いにあるからです。
これも研究をやる上での落とし穴の1つですね。
自分も「努力したがり」な人なので、この落とし穴は本当に怖いです。
うーん、悩みは尽きない。