【連想する本1】
■ 「未来に先回りする思考法」 佐藤 航陽、ディスカヴァー・トゥエンティワン
■ 「SYNC」 スティーヴン・ストロガッツ、早川書房
この本は、いま、地球規模で起きている経済的な事象について、各種データに基づいて概説し、不連続なトレンドの変化に晒される世界の中で生き抜く術を考える内容です。
マッキンゼー社内の独立シンクタンク(MGI、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート)に勤める3人による著作。
「煽り本」っぽい真っ赤な表紙デザインとは裏腹に、とてもアカデミックな内容でした。
この本は読み進めるうちにいろんな本が連想されてきましたので、今回は記事を分割してお届けします。
「つながり」の価値
結局ですね、いま現在の世界経済の大きなテーマは「つながり」のようです。
今ではTwitterやfacebookなどを通じて、個人の繋がりさえも簡単に可視化できてしまいます。
当然ですが、それは企業だって同じ。
そして、企業が提供するサービスのアクティブユーザー数は、今現在の収益に結びついていなくとも、数の多さそのものに価値がある。
なぜなら、膨大なアクティブユーザー数を抱える企業では、有料サービスをはじめた場合、収益が出ることが「統計的に」計算できるから。
つまり、ユーザーにとっては無料のサービスであっても、膨大な数のアクティブユーザーが付いたら、もうそれはほとんど「ボロ儲けしている」サービスなんだとか。
「つながりの価値」に関する同じような論調の話は、下の本でも繰り返し読んできたので、流行りなんでしょうね。
■ 「未来に先回りする思考法」 佐藤 航陽、ディスカヴァー・トゥエンティワン
国を跨いで構築される「バリューチェーン」
これこそが経済の分野で使われる「グローバリゼーション」という言葉の中身ですよね。
私の理解はこんな感じ↓
バリューチェーン:自然から切り出された材料がモノとしての価値を高めていく道筋。
グローバリゼーション:バリューチェーンが世界各国を経由する状態、または、その傾向が深化するさま。
「チェーン」という言葉からもわかりますが、やっぱり「つながり」なんですよね。
「つながり」を科学する
「つながり」といえば、私はダンカン・ワッツの「スモールワールド・ネットワーク」を連想します。
ちょっと昔に「六次の隔たり」とか「知り合いの知り合いを6人辿ると全世界の人とつながる」というような話が話題になったと思いますが、あれです。
ただ、私自身はダンカン・ワッツの著作を読んだことがないので、代わりにこれをご紹介。
■ 「SYNC」 スティーヴン・ストロガッツ、早川書房
確か、スティーヴン・ストロガッツはダンカン・ワッツの師匠に当たるのかな?
この本の中心的な話題は「同期現象」なのですが、「つながりの科学」という研究テーマを着想した当時のお話も書かれているので印象に残っています。
こういう学術研究の成果は、きっとSNSなんかのシステム構築に利用されてるんだろうな。